(元)テカポ星空ガイドのブログ

NZのレイクテカポにて3年半の星空ガイド経験を経て、地元和歌山に帰ってきました。熊野古道での星空ツアー開催に向けて全力で準備中です。

テカポ冬の星空 2016

こんにちは。テカポ星空ガイドの角田です。テカポは9月になってからだいぶ寒さも和らぎ、冬が終わろうとしています。(北半球とは季節が逆になるので)今回はテカポから見える冬の星空をご案内していきたいと思います。

季節ごとに旬の天体がある

以前、このブログでも記事にしましたが、テカポから見て南の方角にある南天の星空は、位置や角度は変わりますが1年中同じ天体が上がっています。それに対して、東・北・西の天体は季節ごとに見え方が変わり、この時期にしか見えない星座や惑星があります。

今回の記事では、そういった季節ごとに違う「この時期ならではの天体」を紹介していきたいと思っています。記念すべき第1回目、テカポ冬の星空です。ちなみに、1年365日毎晩見える固定メンバーの紹介は以下の記事で↓

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星座

まずはメジャーどころで12星座から。この時期、ツアー中にご案内できる12星座はおとめ座、てんびん座、さそり座、いて座、やぎ座、みずがめ座です。その他の星座も夜中には上がってきますが、ツアー中にはご案内できません。

おとめ座

9月になると、おとめ座は夕暮れ直後の西の空になんとか見える程度です。おとめ座の中にある唯一の1等星・スピカは日本でも有名な星ですよね。日が沈んだ後の西の空に、金星と並ぶような形でスピカが見えますが、夜が深くなるにつれてすぐに沈んで行ってしまいます。

てんびん座

てんびん座は明るい星の少ない星座なので、月明かりのある日にはあまりハッキリ見えません。月明かりさえなければ、西の空おとめ座の上部に特徴的な台形の形が見えます。

さそり座

さそり座はテカポの冬を代表する星座と言っても過言ではないでしょう。さそりの心臓と言われるオレンジ色の1等星・アンタレスから天の川に尻尾をひっかけるような形で、見るからにさそりの形をした星の並びが見えてきます。

ただ、このさそりという生物は元々NZにはいなかったので、NZの先住民族マオリ族の人たちは少し違った見方をしていました。マオリ族は狩猟民族でしたので、普段自分たちが使っている道具から、釣り針の形をしているという風に星を結んだと言われています。マオリ族が描いたストーリーでは、神様が南島に乗って釣りをしている最中に釣り上げた大物が北島だと、そして北島を釣り上げた勢いでその釣り針が夜空に飛んでいってペタッと張り付いたのがこの星の並びである、となっています。

ちなみに、このさそりはギリシャ神話の中で人を殺しています。殺されたのがオリオン座なんですが、オリオン座は狩人の形をしています。この狩人はさそりの毒で殺されたということで、さそり座とオリオン座は仲の悪い星座です。180度反対の位置にあり、この時期だと夜中過ぎにさそり座が西の空に沈み、さそりが沈む時間にちょうど反対の東の空からオリオン座が上がってきます。夜中過ぎにタイミングを合わせれば、東西の空地平線付近にギリギリ同時に見えて、仲の悪い2つの星座が顔を合わせる貴重な時間になります。

いて座

もう一つ、テカポの冬を代表する星座がいて座です。いて座は弓矢をキリキリっと引っ張ているような形をしています。この矢は放たれると、ぶすっとさそりに刺さるような形で描かれており、さそりが悪さをしないように見張っているとも言われています。

日本では北斗七星という星の並びがとても有名ですが、このいて座の中には南斗六星と呼ばれる星の並びがあります。形は北斗七星にそっくりのひしゃく型をしており、日本からでも南の方角に見えるため、この名で呼ばれています。

やぎ座

いて座の横に見えるのがやぎ座ですが、やぎ座はかなり想像力が必要な星座です。どっからどう見てもただの三角形にしか見えないのですが、なぜかやぎ座と呼ばれています。「そんなはずないだろう!」と思う方は是非テカポまで確かめに来てください。想像力に自信のある方、お待ちしております。

みずがめ座

この時期だと、星空ツアーの終盤にようやく上がってくるのがみずがめ座です。人が水瓶をひっくり返している姿が描かれているのですが、かなり巨大な星座です。東の空から上がってきたこの星座をご案内するときはいつもお客様から「大きい!」というリアクションをいただきます。

 

惑星

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星座は肉眼で見て、夜空に線を引きながら楽しめる天体ですが、望遠鏡で見ごたえがあるのはやっぱり惑星です。この時期のテカポでは、夕暮れの時間に宵の明星・金星が見えます、暗くなってからはさそり座付近に土星と火星が並んで見えます。

土星は言わずもがなの天体ですが、大きな輪っかがあるのが特徴です。うちのツアーで使用しているサイズの望遠鏡で覗くと、輪っかまでハッキリと見ることができます。この輪っかは小さな氷の粒が集まって形成されており、最も薄い部分で厚さわずか10mのうっっっすーい輪っかです。

火星は見るからに赤く、燃えているような惑星です。実際は燃えているわけではなく、火星表面に存在する酸化鉄に太陽の光が反射して赤っぽく見えると考えられいます。

このような惑星は10月下旬にはツアー中にご案内できるなくなってしまう、まさに旬の天体です。どうしても見たい!という方は、真冬のテカポを狙って来てみてください。

 

その他

日本では7月に七夕がありますが、こっちでも同じ時期に七夕の星・織姫と彦星を見ることができます。ベガとアルタイルという名の2つの明るい1等星なんですが、天の川を挟むように北の空に見えてきます。テカポの街から見ると、湖のある方角がちょうど北の方角になるので、湖の上に頭上を走る天の川と織姫・彦星を眺めることができます。

彦星のほうは東の空から上がって、ゆっくり北の空を通りながら西に沈んでいくのですが、織姫のほうは北から上がってきて少し時間が経つとすぐにまた北の空に沈んで行ってしまいます。テカポでは2つ同時に見える時間はあまり長くないのですが、日本では天の川を挟んでいる姿はなかなかお目にかかれないので、是非一度見に来てもらえたらと思います。

 

冬のテカポへ

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テカポの冬の星空をご案内してきましたが、冬のテカポに来るときは防寒対策はバッチリ固めて来てください。緯度でいうと北海道と同じ、44度ですから。めちゃめちゃ寒いです。その覚悟だけはしっかりしてきてください。

寒いだけだと来る気がちょっと失せてしまうかもしれませんが、メリットもあります。それはツアー時間です。夏のテカポは日没が10時半ごろになります。11時でもまだ少し太陽の日が残っている日もあるぐらいです。当然、ツアーの出発時間も遅くなり、夜中2時に出発するツアーもあるぐらいです。夏は星を見ること自体が体力勝負になってきますが、その点冬は6時には真っ暗なので、夏よりも長い夜を楽しめますし、寝る時間もちゃんと確保できます。起こしになる際は、防寒対策だけはくれぐれも忘れずに!

 

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