(元)テカポ星空ガイドのブログ

NZのレイクテカポにて3年半の星空ガイド経験を経て、地元和歌山に帰ってきました。熊野古道での星空ツアー開催に向けて全力で準備中です。

月は本当に天敵か

こんにちは。テカポ星空ガイドの角田です。今週末は新月で、月は一晩中夜空に上がってきません。え?月って見える日と見えない日があるの?と思う方もいるかもしれませんが、その辺りの話も含めて今回のテーマは月です。

以前の記事「星空を綺麗に見るコツ」でも書きましたが、一般的に天体観測にとって月明かりは邪魔な存在です。今週末は新月なので、月明かりの影響が全くない星空を楽しむことができます。

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月とは

月は直径約3500kmの天体で、1か月かけて地球の周りをぐるりと一周しています。(正確には27日と7時間で一周)

地球から月までの距離は少し遠くなったり近くなったりしますが、平均で38万kmです。ちなみに、うちの会社で使ってる社用車で一番古い車は、走行距離76万kmを超えています。何が言いたいかというと、もし地球から月まで高速道路が通っていたら、この車は月まで行って帰ってこれるわけですね!!

月が我々の目に見えるのは、月に太陽の光が反射しているからです。新月・三日月・半月・満月とその見え方が変わるのは、月が地球の周りをまわっているからです。どの辺りをまわっているかによって、太陽光の反射する角度が変わるので、地球から見ると欠けたり満ちたりするように見えます。詳しくは下の図で。

 

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この図は皆さん、中学の教科書で一度は目にしたことがあるかと思います。真ん中にある地球は1日24時間かけてぐるりと一周します。自転ってやつですね。太陽光は同じ方向からくるので(この図だと右から)、地球がぐるぐる回ってテカポが左側に来た時に、こっちは夜になります。太陽の光が当たらないので夜です。

さらに月は1か月かけて地球の周りをまわりますので、テカポが夜になったときに月がどの位置にあるかは毎晩毎晩違うわけですね。これが月の満ち欠けの原因です。

同じ原理で月が夜空に上がってくる時間(もしくは沈んでいく時間)は毎日違います。例えば図中「三日月」の位置に月がある日だと、夜がどんどん進んで地球が回っていくと、月が見えない角度になっていきますよね?地上から見ると、西の空に沈んでいくように見えます。ただ、次の日には少し「上弦」よりの位置にいるので、昨日よりも少し後に西の空に沈むわけです。

 

クレーター

ご存知の方も多いかと思いますが、月には無数のクレーターが存在します。月が出ている日には、よく星空ツアーでも望遠鏡を使ってこのクレータを覗いてもらっています。

このクレーターの正体は何かというと、主に隕石が月に衝突した跡です。しかし月にばかり隕石が来ているのかというと、そうではありません。

以前の記事「テカポから見る流星群」でもご案内しましたが、地球にもどんどん隕石は来ています。ただ、地球には大気があるので、そのほとんどは大気中で燃え尽きてしまいます。それに対して、月には大気がありませんので、入ってきた隕石はすべて地表に到達するわけです。

さらに、地球だと空気や水の流れがあるので、隕石が衝突したとしても、長い時間をかけて風化していきます。どんどん平らになっていくんですね。それに対して、月には空気や水の流れがないので、一度できたクレーターは無くならないんです。何億年も前に月に衝突した岩石が造ったクレーターが今でも残っているので、地表には無数のクレーターが見えるわけです。

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月は本当に天敵か

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月明かりはやはり明るいので、テカポで満天の星空を一晩中楽しむためには新月の日を狙って来るしかありません。

ただ、月自体は見ごたえがあって面白い天体です。星空ツアーでも望遠鏡で月をご案内したときは、お客様の反応もよく、楽しんでいただいております。

世の中大概のことはそうですが、大事なのはバランスです。

「おぉー!月は望遠鏡で見ると見ごたえがあるのかー!」と言って満月の日にテカポに来ると、暗い星は肉眼で見えません。

逆に「いやいや、せっかく来るなら月明かりの影響が全くない新月の日じゃないとイヤっ!」となると、チャンスは月に1回しかありません。その日曇ると次のチャンスは来月です。

ですので、私個人の意見としては三日月の日から新月の日にかけてテカポに3泊する、というのが解決策じゃないかと思います。ずるい答えでしょ。

とにかく結論!「月とはうまく付き合おう」ってことです。